飼養施設の有無について

第一種動物取扱業開業, 動物取扱業登録

2025年8月19日更新
改正動物愛護管理法（2019年）準拠

飼養施設の有無とは？

第一種動物取扱業登録の申請の際は、「種別」の登録と共に「飼養施設の有無」の登録が必要です。

飼養施設とは、所有する動物を飼養したり、顧客の動物を預かり保管するための施設です。

動物取扱業では「施設基準」が設けられており、「飼養施設有」で登録申請する場合は、その基準に適合した施設の設置が義務付けられています。

「貸出し」「展示」「競りあっせん」については、飼養施設の設置が義務付けられていますが、その他の種別については、その営業形態により設置の有無を決定し登録することが出来ます。

Check★「飼養施設無」で登録している場合は、一時的であれ、営業に用いる動物や顧客の動物を飼養したり保管することは出来ません。

飼養施設無で登録できる業種例

• 犬猫の仲介販売業
• ペットの訪問美容
• ペットの訪問介護
• ペットシッター
• 犬のお散歩代行
• 出張訓練士（ドッグトレーナー）

Check★一時的であれ、事業所内で顧客のペットを預かる可能性がある場合は、「飼養施設有」での登録が必要です。

飼養施設有の登録が必要な業種例

• ブリーダー
• ペットショップ（ほ乳類・鳥類・は虫類販売）
• ペットサロン
• ペットホテル・ペットの民泊
• 老犬・老猫ホーム
• ペットカフェ（ふれあい目的）
• ペットセラピー
• 犬の訓練所・しつけ教室
• 犬の幼稚園・保育園
• ペットレンタル・派遣

Check★「飼養施設有」での登録を申請する場合は、定められた「施設基準」を遵守したした上で、施設平面図を作成し申請書類に添付しなければなりません。

Check★犬猫の飼養施設については、施設平面図に加えて、「ケージ等の規模を示す平面図・立面図」を作成し申請書類に添付しなければなりません。

動物取扱業における施設基準

第一種動物取扱業を「飼養施設有」で登録する場合は、定められた施設基準を満たした飼養施設を設置する必要があります。

施設基準の詳細はこちらでご確認ください。

Check★申請後に必ず行われる「立ち入り検査」は、この施設基準の確認を主眼としており「補正」を指示される場合もあります。

飼養施設平面図の描き方

飼養施設有りで登録する場合は、登録申請時に飼養施設の平面図を提出しなければなりません。

Check★補正による無駄な出費を抑えるため、大掛かりな工事や高価な設備を設置する前に「予定の平面図」を作成し、所轄の愛護管理センターと事前協議を行う方が無難です。

平面図作成時の注意事項

原則はA4サイズに収めて提出する必要がありますので、飼養施設の大きさに合せて縮尺を決定して構いません。
図面の兼ね合いでどうしてもA4サイズにおさまらない場合は、A3サイズ（二つ折り）でも許容されます。

以下の項目については、必ず記載するようにしましょう。

• 飼養施設の間口と奥行き
  
  詳細

  単位については「m」でも「cm」でも構いません。
• 出入り口
  
  詳細

  「開き戸」と「引き戸」の違いが分かるように記載しましょう。
• ケージ等
  
  詳細

  ケージについては、○段式の記載が必要です。
  犬猫のケージについては、基準省令第二条第一号 ロ（３）の基準を満たしていることを示すため、寸法（幅・奥行・高さ）を明記しなければなりません。
  ※詳細資料　体長・体高ごとのケージ等の大きさ早見表（犬）（猫）　環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」より抜粋
• 運動スペース　※犬猫の飼養施設で運動スペース分離型飼養の場合に必要
  
  詳細

  分離型飼養を行う場合は、基準省令第二条第一号 ロ（３）の基準を満たす運動スペースを確保し、その面積が分かるように寸法を記載しなければなりません。
  ※詳細資料　体長・体高ごとのケージ等の大きさ早見表（犬）（猫）　環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」より抜粋
• 照明設備
  
  詳細

  営業時間が日中のみである等、照明設備の必要のない飼養施設は記載不要です。
• 給水設備
  
  詳細

  全ての蛇口の位置を明記します。
• 排水設備
  
  詳細

  全ての排水口の位置を明記します。
• 洗浄設備
  
  詳細

  動物の洗い場（シンク等）を記載します。大きさの規定はありませんが、飼養する動物が現実的に洗浄できる大きさが求められます。
• 消毒設備（消毒装置）
  
  詳細

  噴霧式消毒液ボトルの設置で問題ありません。
• 汚物、残さ等の廃棄物の集積設備
  
  詳細

  いわゆるゴミ箱。蓋が付き臭いがもれないものが良い。
• 動物の死体の一時保管場所
  
  詳細

  腐敗等に配慮したものが望ましいが、蓋付きのゴミ箱でも許容される。
• 餌の保管場所
  
  詳細

  特に規定は無いが、害虫等が侵入しにくい蓋付きのものが良い。
• 清掃設備
  
  詳細

  掃除用具置き場を記載すれば良い。
• 空調設備
  
  詳細

  開閉式の窓・換気扇・エアコン等を全て記載。※屋外施設は不要です。
• 遮光のため又は風雨を遮るための設備
  
  詳細

  カーテン・目隠し・テントなど。
  ※ケージ等がすべて屋内にある等、設備の必要のない場合を除きます。

平面図サンプル（保管・飼養施設有）

第一種動物取扱業登録の申請書に添付する必要のある、飼養施設（ペットサロン・ホテル併設）の平面図のサンプルです。

飼養施設平面図サンプル（PDF）

ケージ等の規模を示す平面図・立面図の描き方

犬または猫の飼養や保管を行う場合は、基準省令第二条第一号 ロ（３）に規定された基準を満たす、「ケージ等の規模を示す平面図・立面図」を登録申請時に提出しなければなりません。

Check★犬猫の体長・体高ベースに算出された、ケージや運動スペースの具体的な基準値は以下の早見表で確認できます。
体長・体高ごとのケージ等の大きさ早見表（犬）（猫）　環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」より抜粋

平面図・立面図作成時の注意事項

記載例や様式を用意している自治体もありますので、確認のうえ作成しましょう。

記載例や様式に有無にかかわらず、要は設置する予定のケージや運動スペースが、基準を満たしていると言うことを具体的に示すことが出来るものになっていれば問題ありません。

Check★運動スペースは、運動スペース一体型飼養のケージを設置する場合は必要ありません。

1.ケージの立面図（部屋飼いの場合は部屋の立面図）

• 運動スペース分離型飼養であるか一体型飼養であるかを明記
  
  詳細

  分離型飼養であるか一体型飼養であるかによって、ケージ内飼養できる犬猫の最大値（体長・体高）が異なります。
  用途に合わせて飼養できる犬猫の大きさを算出しましょう。
• 個別（一頭ずつ）用であるか複数用（何頭まで）であるかを明記
  
  詳細

  個別用であるか、複数用であるかによって、ケージ内飼養できる犬猫の最大値（体長・体高）が異なります。
  併用する場合は、個別の時と複数の時、それぞれの飼養できる犬猫の犬猫の最大値（体長・体高）を算出しておく必要があります。
• 幅、奥行、高さ、底面積を明記
  
  詳細

  必ず内寸を記載し、飼養できる犬猫の最大値（体長・体高）を算出しましょう。
  天井のないサークルの場合は体高の制限はありませんので天井の高さ記載します。
  但し、明らかに逸走できるような高さのサークルで体高の高い犬種を飼養または保管することは認められません。
• ケージの個数を明記
  
  詳細

  ケージの種類ごとに立面図を作成し、同種のケージを何個設置するかを明記します。
• 飼養できる犬猫の最大値（体長・体高）と最大頭数を算出
  
  詳細

  設置したケージで飼養できる犬猫の最大値（体長・体高）と最大頭数を算出します。
  
  

2.運動スペースの平面図（分離型飼養の場合）

• 運動スペースの寸法と面積を明記
  
  詳細

  作成した「飼養施設の平面図」の写しに、運動スペースが明確に分かるように区分けし、寸法を明記します。
• 運動スペース内にある設置物の寸法・底面積を明記
  
  詳細

  運動スペース内にあるすべての設置物（例：ケージ、ゴミ箱、空気清浄機等）の寸法と底面積を明記します。
• 実運動スペースの面積を算出
  
  詳細

  運動スペース面積から設置物の底面積を引き、実運動スペースを算出し明記します。
• 運動可能できる犬猫の最大頭数を算出
  
  詳細

  ケージの立面図で算出した、飼養できる犬猫の最大値（体長）と最大頭数を基に、実運動スペースでの運動可能最大頭数を算出します。
  1日3時間以上の運動時間が必要ですが、仮に営業時間が9時間の場合は3交代で運動が可能ですので、一回で運動が可能な最大頭数の3倍を最大運動可能頭数とすることが可能です。
  体長毎の必要運動面積については、以下の早見表で確認できます。
  体長・体高ごとのケージ等の大きさ早見表（犬）（猫）　環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」より抜粋

ケージ等の規模を示す平面図・立面図サンプル（保管・飼養施設有）

第一種動物取扱業登録の申請書に添付する必要のある、飼養施設（ペットサロン・ホテル併設）のケージ等の規模を示す平面図・立面図のサンプルです。（大阪府の様式を使用）

ケージ等の規模を示す平面図・立面図（PDF）

第一種動物取扱業サポートサービス

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