2019年改正|動物の愛護及び管理に関する法律について
- 1. 2019年動物愛護管理法改正
- 1.1. 第一種動物取扱業登録の拒否事由変更点(2020年6月~)
- 1.2. 勧告に従わない事業者の公表(2020年6月~)
- 1.3. 第一種動物取扱業登録取消後の勧告等権限強化(2020年6月~)
- 1.4. 生体販売の対面説明を事業所内のみに限定(2020年6月~)
- 1.5. 動物殺傷罪、虐待罪、遺棄罪の罰則強化(2020年6月~)
- 1.6. 第一種動物取扱業者の遵守基準の明確化(2021年6月までに)
- 1.7. 生後56日未満の犬猫の販売制限(2021年6月までに)
- 1.8. 犬猫販売業者のマイクロチップ装着義務化、情報登録義務化(2022年6月までに)
- 1.9. 犬猫所有者のマイクロチップ装着努力義務化、装着後は情報登録義務化(2022年6月までに)
- 2. 第一種動物取扱業サポートサービス
- 3. 関連記事一覧
2019年動物愛護管理法改正
令和元年6月12日に「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」が可決成立し、6月19日に公布されました。
令和2年6月より段階的に施行される予定です。(2019年11月現在)
第一種動物取扱業者にとっては、全ての改正が業務へ関連しますが、特に注意が必要な項目について、以下に解説を加えています。
令和2年(2020年)6月中に施行
- 動物所有者(占有者)への動物の飼養及び保管基準遵守の明確化
- 第一種動物取扱業登録の拒否事由追加
- 勧告に従わない事業者の公表
- 第一種動物取扱業登録取消し後の勧告等の権限強化
- 生体販売の対面説明を事業所内のみに限定
- 不適正飼養に対する知事権限の強化
- 特定動物の愛玩目的での飼養又は保管の禁止
- 犬猫の飼養が困難になる恐れがある場合の去勢避妊の義務化
- 動物殺傷罪、動物虐待罪、動物遺棄罪の罰則強化
- 所有者不明の犬猫の引取り拒否要件を追加
- 動物愛護管理センターの行う業務を規定
- 都道府県担当職員の名称変更、必置義務化
- 獣医師による動物殺傷、動物虐待通報義務化
令和3年(2021年)6月までに施行
令和4年(2022年)6月までに施行
第一種動物取扱業登録の拒否事由変更点(2020年6月~)
勧告に従わない事業者の公表(2020年6月~)
改正前、都道府県知事には勧告に従わない事業者に対して、「期限を定めての措置命令」の権限までしか与えられていませんでした。
改正後は、期限までに勧告に従わない事業者を公表する権限が加えられました。
第一種動物取扱業登録取消後の勧告等権限強化(2020年6月~)
改正前には認められていなかった、登録取消し後の事業者に対しての「勧告」「命令」「立入検査」が、取り消し後2年間は可能とする権限が加えられました。
生体販売の対面説明を事業所内のみに限定(2020年6月~)
2012年改正時の、犬猫販売における「現物確認」及び「対面説明」の義務化に加え、今回の改正で「その事業所において」と言う制限が加えられました。
それに伴い、登録した事業所以外(駅、空港、顧客宅、ドッグショー会場等)での「現物確認」及び「対面説明」が禁止されました。
今回の改正では、事業所外での販売禁止が、犬猫のみならず、その他のほ乳類・鳥類・爬虫類の販売を行う全ての第一種動物取扱業者が対象となりました。
動物殺傷罪、虐待罪、遺棄罪の罰則強化(2020年6月~)
今回の改正で罰則が強化されたのは以下の通り。
罪名 | 罰則 |
動物殺傷罪 | 5年以下の懲役または500万円以下の罰金 |
動物虐待罪 動物遺棄罪 |
1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
第一種動物取扱業者の遵守基準の明確化(2021年6月までに)
2019年11月の段階では内容が不透明であるが、環境省令により「第一種動物取扱業の遵守基準を具体的に定める」ことが規定され、2021年6月までに施行される予定です。
具体化する遵守基準は以下の7項目となります。
- 飼養施設の管理、飼養施設に備える設備の構造及び規模並びに当該設備の管理に関する事項
★動物一頭あたりの必要面積等が検討される可能性あり - 動物の飼養又は保管に従事する従業者の員数に関する事項
★従業者一人あたりが飼養できる動物の頭数が制限される可能性あり - 動物の飼養又は保管をする環境の管理に関する事項
- 動物の疾病等に係る措置に関する事項
- 動物の展示又は輸送の方法に関する事項
- 動物を繁殖の用に供することができる回数、繁殖の用に供することができる動物の選定その他の動物の繁殖方法に関する事項
★動物の年間繁殖可能回数や生涯繁殖可能回数等が制限される可能性あり - その他動物の愛護及び適正な飼養に関し必要な事項
生後56日未満の犬猫の販売制限(2021年6月までに)
2012年改正時の「経過措置」に関する附則が削除され、生後56日を経過しない犬猫の販売が制限されました。
但し、特例措置として「天然記念物指定犬(秋田犬・甲斐犬・紀州犬・柴犬・北海道犬・四国犬)」については、生後49日を経過しないものの販売が制限されました。
犬猫販売業者のマイクロチップ装着義務化、情報登録義務化(2022年6月までに)
犬猫販売業者は、マイクロチップの装着と情報登録が義務化されます。
また、マイクロチップを装着した犬猫を譲り受けた者については、情報の変更登録が義務化されます。
Check★犬猫繁殖業者については、子犬や子猫のみならず、所有している犬猫全てにマイクロチップを装着する必要があります。犬猫所有者のマイクロチップ装着努力義務化、装着後は情報登録義務化(2022年6月までに)
一般所有者、動物愛護団体が所有する犬猫については、マイクロチップの装着が努力義務化されます。
また、マイクロチップを装着した場合は、情報登録と変更登録が義務化されます。
Check★努力義務とは、法律上は違反しても罰則の対象にならないとは言え 、本来はそうすべきことであり、そのように努めなければならないと言う意味です。第一種動物取扱業サポートサービス
関連記事一覧
ペットビジネスを始めるなら!